「永住外国人の地方参政権と住民投票権について」
2011.11.4 日韓共催で講演会開催!
11月4日午後6時30分、葛飾区日韓親善協会と在日韓国民団葛飾支部の共催により、かつしかシンフォニーヒルズのレインボーホールにて田中宏先生(元一ツ橋大学名誉教授)を講師に迎え永住外国人の地方参政権についての講演会を開催いたしました。葛飾支部団員と日韓協会員を中心に地域住民や市民グループ、民団からは江戸川支部の李鍾郁団長と金春植議長、杉並支部・金勇光団長、北支部・姜義宝団長が参加され、総勢52名が集まる中行われた講演会はNHKのドキュメンタリーフィルム「日本と朝鮮半島−在日の解放と分断のビデオ上映からスタートし、1時間の講演後、積極的な質問が発せられ活発な論議が繰り広げられました。
田中先生はOECD加盟国の中で国政レベルの参政権を認めた国はないが、地方レベルをまったく認めないのは日本だけだと述べ、多文化共生社会の実現に積極的に動き出した韓国を例に上げながら、日本の外国人に対する政策の遅れを指摘しました。
質問の冒頭に立った葛飾民団の李幸作常任顧問は「私たちは日本人ではないが葛飾区の住民であるので、住民としての権利がほしい」と地域行政に自己の意思を表示したいと訴えました。
斉藤初夫区議会議員は住民投票について触れ、「この条例が制定され永住外国人が投票資格を持つと、それを参政権の代わりに置き換えられる恐れがある」と住民投票権が参政権獲得の大きな妨げになると指摘しました。斎藤議員は段階論はあるにせよ参政権を要求していくべきと主張、最後に挨拶に立った葛飾区日韓協の左近充会長は「先に上映されたビデオを見て涙が出そうになった。あの時代を知る者として、私は一人でも多くの同士を集めて在日の方々権利取得を支援したい」と力強く語り、共生社会への実現へ向けてより一層の親善交流を深めていくことを改めて表明していただきました。
講演会終了後は、遠方よりご足労いただいた他支部の有志のみなさんをはじめ、田中先生を囲んでこれからの参政権運動の展望について語りながら、杯を酌み交わしました。
講演レジメは下記の通り。
動画は画像をクリックしてください!

定住外国人の地方参政権・住民投票権について
2011.11.4 

1.社会の都市化のなかで
 ・生活のすみずみまで、政治との関係がますます深まっている。

2.国籍法制との関係
 ・出生地主義国では2世はもはや外国人ではないが、血統主義国では子々孫々まで外国人
 ・旧植民地出身者は国籍選択が保障されなかった。
 ・帰化したら、何がどう変わるだろうか。

3.国政参政権と地方参政権の区別
 ・在外邦人は衆・参両議員の選挙は出来るが、地方選挙は投票できない。
 ・韓国では、2005年の法改正で永住外国人に地方選挙権を付与、2009年の法改正で
  在外国民は国会議員及び大統領選挙で投票できることに(2012年)
 ・残るは、日本における外国人の地方参政権付与のみ。最高裁判決も両者をはっきり区別。
 ・永住外国人地方選挙権付与法案の審議通過。
 ・住民投票(米原町の住民投票条例・2002年/韓国の住民投票法・2004年)

4.諸外国の状況が示すこと
 ・国会図書館調べによると、OECD加盟30ヶ国及びロシアについて、国政レベルを認めた国は
  ほとんどないが、地方レベルを全く認めないのは日本のみ。

5.日韓比較からみえてくること

日 本

韓 国

参政権関連

自国民の在外投票

比例区(98年)選挙区も
(06年)

憲法不適合判決(07年)、
法改正(09年)

外国人の地方参政権

法案提出(98年)したが
未成立

法改正(05年)、
投票実施(06年)

研修生制度

その存否

違反事例続出でも存続

産業研修生制度廃止(06年)

外国人雇用法

なし

外国人労働者雇用許可法(04年)

国内人権機関

人権擁護法案は廃案(03年)
のまま

国家人権委員会法(01年)

外国人に関する基本法
(統合政策)

なし

在韓外国人処遇基本法(07年)
多文化家族支援法(08年)

外国人の再入国許可

みなし再入国許可(09年)実施
(12.7)

永住者は免除(02年)

国際人権B規約の個人通報制度
 (第1選択議定書)

未批准

批准(90年)

 

 

 参考資料;論点29「外国人に地方参政権を与えるべき大いなる根拠